故人名義の変更や解約などが必要な手続き
故人が生前所有していた不動産や動産、契約していたサービスなどには、相続財産とみなされるものもあり、名義変更には遺産相続の手続きが前提になる場合もあります。また、契約サービスなどを解約する場合も、未精算の料金や残債などあれば遺産となることもありますから、手続きには注意が必要です。
■不動産の名義変更
故人の所有していた土地・建物などの不動産を相続する場合は、登記簿を名義変更します。
期限 相続確定後速やかに
手続先 地方法務局
必要なもの 登記申請書、被相続人(故人)の戸籍謄本、故人の除籍謄本、改製原戸籍謄本及び住民票除票、相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書、相続する人の住民票、
遺産分割協議書、固定資産評価証明書
備考 固定資産評価証明書に基づいて相続税がかかります。死亡から10ヶ月以内に申告・納税しなければなりません。
■預貯金の名義変更
故人名義の預貯金口座は、死亡届が受理された直後から相続が確定するまで事実上凍結されます。遺言書や遺産分割協議によって相続人が確定したら、口座の名義人を相続人に変更します。
期限 相続確定後速やかに
手続先 預け入れ金融機関
必要なもの 名義変更依頼書、被相続人(故人)の戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書、遺産分割協議書(コピー)、通帳
備考 預貯金額に基づいて相続人には相続税がかかります。死亡から10ヶ月以内に申告・納税しなければなりません。
■株式の名義変更
故人名義の株式は、死亡届が受理された直後から売買ができません。遺言書や遺産分割協議によって相続人が確定したら、株式の名義人を故人から相続人に書き換えます。
期限 相続確定後速やかに
手続先 証券会社または、株式発行法人
必要なもの 株式名義書換請求書、株券、被相続人(故人)の戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書、遺産分割協議書
備考 株式評価額に基づいて相続人には相続税がかかります。死亡から10ヶ月以内に申告・納税しなければなりません。
■自動車所有権の移転
自動車は相続財産(遺産)となる動産です。遺言書や遺産分割協議によって相続人を確定し、所有権を故人から相続人に移転します。
期限 相続から15日以内
手続先 陸運局支局
必要なもの 所有権移転申請書、自動車検査証、被相続人(故人)の戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書、遺産分割協議書(陸運局所定の用紙)、相続人の委任状、自動車税申告書、手数料納付書、車庫証明書など
■電話(加入固定電話)の名義変更
期限 確定後速やかに
手続先 日本電信電話会社
必要なもの 電話加入承継届、被相続人及び相続人の戸籍謄本、相続人の印鑑証明書
■公共料金の名義変更
期限 確定後速やかに
手続先 電力会社、水道局、ガス会社など
必要なもの 問い合わせのこと
■クレジットカード
故人の名義のクレジットカードなどは、解約しカードを廃棄する必要があります。カード会社によっては、カードの返送を求める場合もあります。また、クレジットやキャッシュローンの未精算金・返済額が残っている場合は、遺産となりますから、相続人は相続放棄をしないかぎり、精算・返済する義務も負います。
期限 相続確定後速やかに
手続先 各クレジットカード会社
必要なもの 解約手続き書類、クレジットカード会社の指定するもの
■運転免許証
期限 死後速やかに
手続先 最寄りの警察署
■パスポート
期限 死後速やかに
手続先 都道府県旅券課
■携帯電話、プロバイダー、介護サービス、給食サービスなどの契約サービス
期限 死後速やかに
手続先 各サービス契約先に連絡し解約します。利用代金の残額がある場合には精算します。
■ゴルフ会員権の名義変更
ゴルフ会員権はクラブによって規定があり、名義変更できない場合もあります。また、会員が死亡した場合にはクラブが買い取る場合もあります。ゴルフクラブに問い合わせてみましょう。